米中、6日に追加関税発動

貿易問題をめぐり激しく対立する米国と中国は、米東部時間6日未明(日本時間同日午後)、それぞれの国からの輸入品に25%の追加関税を課す制裁措置を発動する見通しだ。両国はともに、複数回に分けて年500億ドル(約5兆5000億円)相当の輸入品に関税を上
乗せする。 現時点で発動の回避に向けた具体的な動きは見られず、予定通り実施される公算が大きい。経済大国の米中が制裁と報復を繰り返せば、世界の金融市場や多国籍企業のサプライチェーン(部品供給網)などに影響が広がる恐れがありそうだ。
トランプ大統領は3月、米通商法301条に基づき、中国の知的財産権侵害を理由とした中国製品への制裁に関する大統領令に署名した。大統領は「米国は世界で最も優れた技術を有しており、それを模倣したり盗んだりする人たちがいる」と鋭く批判。米国は知財権侵害の是正や巨額の対米貿易黒字の削減を中国に求めてきたが、対立は解けず、制裁に踏み切る。
追加関税は6日から段階的に実施。米国は第1弾として、中国が重点投資するハイテク分野のうち自動車、産業機械など818品目(340億ドル)に25%の関税を上乗せする。中国も同じ規模で報復する方針で、大豆や自動車など545品目(340億ドル)に高関税を課す。両国はそれぞれ、さらに160億ドル相当の輸入品にも追加関税を適用する予定で、発動の時期を今後見極める。
米大統領は、中国が今後、報復すれば、制裁対象の規模を4000億ドル上積みすると警告。中国もさらなる対抗措置に動く構えを見せており、制裁と報復の応酬が続く「貿易戦争」は避けられない情勢となっている。
米通商法301条 貿易相手国の不公正な貿易慣行に対し、大統領の判断で制裁措置を発動できると定めた米通商法の条項。1974年に制定された。米通商代表部(USTR)が調査し、不当な補助金といった問題があると判断すれば、関税引き上げなどの措置を講じる。80年代に激化した日米貿易摩擦などで多用されたが、一方的な措置を禁じた世界貿易機関(WTO)協定に違反する可能性がある。95年のWTO発足以降はほとんど使われていなかった。