米、為替政策で強硬姿勢か=ドル高、中国対応が焦点 次期米大統領

トランプ次期米大統領は財務長官に金融大手ゴールドマン・サックス出身のムニューチン氏、商務長官に著名投資家ロス氏の起用を決め、経済政策の具体化を急ぐ。ただ、柱となる巨額の減税と財政出動はドル高を招き、中国との為替をめぐる摩擦が激化する恐れがある。
トランプ氏は法人税を現行の35%から15%に引き下げる減税案を掲げたほか、5500億ドル(約60兆円)規模のインフラ投資案も表明。市場では財政赤字の拡大を見込み、米長期金利が急上昇し、ドル高に拍車が掛かっている。
また、同氏は停滞する鉄鋼産業の集積地で支持を得て勝利。中国の対米輸出拡大を批判している。選挙中は「就任初日に財務長官に対し、中国を為替操作国に認定するよう指示する」と宣言。中国側の反発を招き、摩擦の火種がくすぶっている。
こうした中、ムニューチン氏にとっては、インフラ投資の財源確保や財政規律を重視する共和党主流派との調整を通じ、政策を実現できるかが課題。ドル高が進んだ場合の対応も注目される。ロス氏は、鉄鋼や為替をめぐり摩擦が予想される中国などとの折衝が重要な任務になりそうだ。
ただ、両氏ともに政府要職に就いた経験はなく、手腕は未知数。日本政府関係者は米中間の摩擦が増せ
ば「次期米政権がドル高けん制策を講じ、日本が巻き添えになる恐れがある」と警戒している。