米、中国の投資に警戒拡大=規制強化案、月内にも

トランプ米政権は貿易政策で中国への強硬姿勢に傾く中、中国の対米投資に警戒感を強めている。企業買収を通じ、ハイテク技術などが流出し、安全保障が脅かされる事態を憂慮。米財務省は中国を念頭に置いた投資規制案を月内にもまとめる。日本企業の投資戦略にも影響を与える可能性がある。
トランプ大統領は3月、中国が米企業に知的財産権の強制移転を迫っていると批判し、ムニューシン財務長官に中国資本の投資に対応を指示した。中国が産業政策「中国製造2025」に基づき、米ハイテク企業の先端技術買収を国家ぐるみで進めており、米国の競争力が損なわれかねないとの危機感が背景にある。
調査会社ロディウム・グループによると、2016年の中国の対米直接投資額は456億ドル(約5兆円)。
前年の約3倍に急増し、過去最高を記録した。17年は貿易摩擦などが響き、前年比36%減の294億ドルとなったが、依然として高水準にある。
米国では、財務省や国防総省などが管轄する対米外国投資委員会(CFIUS)が、安全保障の観点から外資の米企業買収計画を審査。問題があると判断すれば大統領に中止を勧告する。トランプ氏は3月、シンガポールに拠点を置いていた半導体大手ブロードコムによる米同業クアルコムの買収を阻止した。
連邦議会でもCFIUSの権限強化法の審議が進む。一方で上院の超党派議員らは22日、ムニューシン氏に宛てた書簡で「国有企業を通じた外国政府の投資拡大が新たな問題に浮上している」と懸念を表明。
投資規制案に「中国のすべての対米投資が長期的に米経済に及ぼす影響」を反映させるよう求めた。
米メディアによると、規制案では半導体や次世代通信分野への投資を含め対象が広範囲に及ぶ見通し。
影響は中国企業にとどまらず、取引をする日本や米国の企業にも広がる恐れがある。