外貨準備、3兆ドル割れ目前=資本流出止まらず

中国人民銀行(中央銀行)は7日、2016年12月末の外貨準備高が前月比410億ドル減の3兆105億ドル(約352兆円)になったと発表した。11年2月以来の3兆ドル割れが迫った。景気減速懸念と米国の利上げで資本流出が止まらず、人民元相場の急落を阻止しようと外貨準備を取り崩してドル売り介入を続けたことが要因だ。
中国の外貨準備は世界一の規模。輸出主導の高度成長で外貨を稼ぎ、14年6月には3兆9932億ドルと、4兆ドルの大台に肉薄した。しかし、その後は輸出低迷などを背景に減少傾向をたどっている。
外貨準備は金融危機などの際、自国通貨の防衛や対外債務の返済に使う。減り続ければ枯渇が現実味を
帯び、「元売りがさらに膨らんで人民銀が一段の介入を迫られるという悪循環に陥る」(市場関係者)とされる。
当局は監視を強化するなどして資本流出を食い止めようと取り組んでいるが、政治要因も影を落とす。元
安批判を繰り返すトランプ次期米大統領の就任をにらみ、元相場を支えるため人民銀がドル売り介入を増や
しているとの見方も出ており、外貨準備の減少は当面続きそうだ。
◇外貨準備 金融危機などの際、自国通貨を買い支えたり、対外債務の返済に使ったりする政府・中央銀
行の準備資産。ドル建てで保有するケースが多く、その場合は米国債の形で持つのが一般的。外国為替市
場での当局の介入や、運用成績などによって増減する。中国の外貨準備高は2006年、日本を抜いて世界
一になった。