予見不能、身構える日本企業=貿易戦争、影響を注視

世界1位と2位の経済大国である米国と中国が互いに高関税を課す貿易戦争に日本企業は「予見不能」(大手メーカー幹部)と身構える。日本は製造業を中心に米中との取引額が大きい。中国で組み立てて、米国に輸出する製品への課税など直接的な影響は限定的との見方はある。だが、世界経済への打撃や、調達先の変更に伴う商品市況の混乱など影響は見通せない。
米国が6日発動した追加関税は、自動車や工作機械などハイテク製品818品目で年340億ドル(約3兆8000億円)相当に及ぶ。中国も米農産品などへの同規模の報復関税で対抗する。
中国で産業用機器を生産するオムロンは4月時点で、追加関税に関し、年間10億円の減収要因になると試算した。中国のハイテク産業振興政策により、工作機械は好況が続く。日本の工作機械業界は「大部分は中国市場向けで直接の影響はないが、中国企業の業績が圧迫され、設備投資が鈍らないか警戒している」(関係者)と話す。
日本企業が頭を抱えるのは、拡大する貿易戦争の影響が読み切れないことだ。今回の追加関税ではテレビや携帯電話は外れたが、半導体の集積回路を対象とする第2弾が控えている。ある半導体メーカー関係者は「取引先が中国から米国へどれだけ輸出しているかまでは把握できない」と述べ、影響の予測は困難と指摘する。
中国は大豆や牛肉など米国の農産品への関税で報復する。丸紅は米国産大豆を中国に輸出してきたが、調達先の変更も視野に入る。丸紅は「ブラジルでも調達しており、柔軟に対応する」と説明するが、世界最大の大豆輸入国である中国の需要をブラジル産だけで補うのは困難とみられ、需給バランスの崩れを招く恐れがある。
自動車については、トランプ米政権が日欧も含め追加関税を検討している。ハイテク製品をめぐる米中摩擦は「交渉で収まると期待したが甘かった」(業界関係者)といい、自動車業界も警戒を強めている。