中国経済、再び減速も=対米貿易摩擦の激化で

中国の貿易総額が2年連続で減少した。米国向け輸出が減ったことなどが要因だ。対中強硬
姿勢を続けるトランプ次期米大統領の就任後、米中貿易摩擦が激化した場合、落ち着きを取り戻しつつあった中国経済が再び減速局面に入り、世界全体に影響が及びかねない。
税関総署によると、2016年の中国輸出入総額は前年比6.8%減の3兆6849億ドル(約424兆円)だった。輸出は外需低迷で7.7%、輸入は内需不振で5.5%それぞれ減った。
中国は景気減速に見舞われたものの、公共投資拡大や減税の効果で大幅な下振れは防げている。今月20日に発表される16年の経済成長率は「6.7%前後」(政府高官)と26年ぶりの低い伸びだが、6.5~7.0%の目標達成は確実だ。
今年秋に開かれる5年に1度の共産党大会に向け、習近平指導部の経済運営は最悪期を乗り切ったかに見えた。だが、「トランプ氏当選で全てが不透明になった」(経済専門家)。
中国が懸念するのは自国製品への高率関税適用だ。トランプ氏は安価な中国製品の流入で米国人の雇用が奪われていると主張。一方で中国にとって米国は全体の2割を占める最大の輸出先で、対米出荷が滞れば製造業の倒産が相次ぐ事態となる。
世界が推進してきた自由貿易が逆回転を始めれば、輸出主導で高度成長を遂げた中国は計り知れない打撃を被る。習氏は17日、スイスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に中国国家主席として初めて出席し、「保護主義反対」を訴えてトランプ氏をけん制する見通しだ。