中国売上高、機械の上方修正相次ぐ

発表ピークを過ぎた製造業の2017年4~12月期決算によると、18年3月期(今期)の中国業績予想を上方修正するメーカーが機械業界で相次いでいる。インフラ建設やファクトリーオートメーション(FA、工場自動化)需要が衰えないためだ。一方、電子部品業界はスマートフォン売り上げの急減で減速が目立つが、悪影響が顕在化していないメーカーもあり、業績への影響はまちまちだ。
建機大手の日立建機は先月、今期の中国売り上げを17年3月期実績に比べ5割増の1083億円へ上方修正した。従来予想から25%も積み増し、久しぶりの4ケタ台とした。桂山哲夫執行役常務は「中国では今年前半までこの好調さが続く」と自信を示す。
国内最大手コマツの4~12月期の中国売上高実績は、前年比97%増の1139億円。直近の10~12月期は438億円と倍増に至った。昨秋の共産党大会終了後は中国景気に急ブレーキがかかると心配されたが、稲垣泰弘常務執行役員は「今も全国でインフラ工事が進んでいる」と指摘。建設投資の急減は垣間見えないようだ。
コマツが推計する中国全土の油圧ショベルの月間需要は昨夏以降、この5年間の月ごとの最高を毎月、更新し続けている。特に11月と12月は月5000台超と上っ放れた。同社は先月の業績発表で今期予想を変えなかったが、「見込みに比べて実績は強めに出ている」(稲垣常務)とも語り、政経リスクなどが現れない限り上方修正は堅そうだ。
FA関連も好調だ。三菱電機は先月、社全体の今期増収増益幅をさらに膨らませたが、けん引役は中国のFA伸長とEV工場の増強だ。松山彰宏専務執行役は、4~12月期の決算セグメント情報からわざわざ中国本土の法人向け売り上げだけを取り出して紹介。「中国顧客の売り上げはFA・自動車部門だけで24%もの増収だ」とFA・EV投資の猛烈ぶりを強調する。
半面、米アップルのスマートフォン新製品特需に沸いた電子部品業界では、中国業績の減速を説明の中で明かすメーカーが出始めた。
スマホ向け通信デバイスが得意な太陽誘電。社全体の今期業績は大幅増収増益を見込む。しかし、同デバイスを含む部門の今期売り上げは590億円から565億円へ下方修正を余儀なくされた。原因は中国のスマホ市場飽和だ。

福田智光上席執行役員は「注文の減少はひと頃に比べ落ち着いたが、回復力は弱い」と口ごもる。代わりに車載機器向けコンデンサーなどがカバーするが、同社はスマホ依存度が高いだけに中国市場の異変は気が気でない。
TDKのスマホ向け電子部品も、業績全体に影響は及ばないが、アップル減産のため販売量が減っている。
「米中両国でスマホの市場が変化しつつある」(山西哲司取締役常務執行役員)と、自社部品への決定的な波及を警戒している。
米調査会社IDCによると、昨年の中国市場のスマホ出荷台数は前年比4.9%減の4億4430万台と、初めて前年を下回った。製品のイノベーションが乏しく、購買意欲が弱まったという。特に秋以降の落ち込みが厳しい。
こうした中で、液晶用バックライトが得意なミネベアミツミは、「確かに中国向けが減ったが、北米が恐れたほどには落ち込んでいない」(米田聡執行役員経理部長)という。スマホ飽和の影響は電子部品メーカーによってまだら模様のようだ。