中国が元安誘導?=米との対立で輸出てこ入れ

人民元相場の下げが最近加速している。通商問題で対立する米国と中国が「貿易戦争」に突入する恐れが強まる中、市場では「中国が輸出てこ入れのため、元安誘導に乗り出した」との見方が広がっている。
人民元は、29日終盤の上海外国為替市場で、1ドル=6.6246元。6月の月間下落率は3.4%と、過去最大を記録した。
人民元は、トランプ米政権が知的財産権侵害で中国批判を強めた4月ごろから下落基調に転じた。対立が激化した6月半ば以降は、中国人民銀行(中央銀行)が取引の目安となる基準値を連日、大幅に引き下げ、下げが加速した。「(中国が)米政権をけん制している」(邦銀筋)との観測もくすぶった。
ただ、元安は輸出を後押しする一方で、資本流出を招く「もろ刃の剣」だ。2015年から16年にかけて、
中国経済の先行き懸念から資本流出が顕著になり、一時4兆ドルに迫った中国の外貨準備高は、3兆ドル前後に縮小した。
中国では最近、債務不履行に陥る社債が増えるなど、市場の不安が再び高まっている。上海総合株価指数は1月の年初来高値から20%強下落。元安が、不安に拍車を掛ける可能性もある。