ロシア・ヤマル産LNG、中国到着

北極海に面したロシア北部ヤマル半島の液化天然ガス(LNG)を積んだ商船三井の砕氷LNG運搬船が17日、中国江蘇省の如東LNG基地に到着した。ヤマル産LNGが北極海経由で東アジアに直送されるのは初めて。
到着したのは商船三井と中国遠洋海運集団(コスコ)の合弁会社が保有する「ウラジミール・ルサノフ」。
今年3月に就航し、欧州向けにLNGを輸送してきたが、北極海が夏を迎え、航路を東に転じた。6月25日にロシアを出発。初めて砕氷船の先導に頼らずに北極海を抜け、7月6日にベーリング海峡に到達した。
ヤマルLNGプロジェクトは昨年12月に出荷を開始。中国国営新華社通信によると、年間生産能力は最大1650万トンに達し、少なくとも400万トンは中国市場に向かう見通し。
商船三井によると、今回の航海で北極圏の天然資源を、スエズ運河経由よりも距離・日数を大幅に短縮できる「北極海航路」を活用して、東アジアに輸送できることが立証できたという。
一方、商船三井は中国のLNG需要拡大をにらみ、これまでにLNG輸送船15隻を中国の造船所に発注した。「LNG建造には非常に高度な技術を要求されるが、先駆者として中国企業に発注し、中国の造船技術向上に寄与してきた」(同社関係者)という。
商船三井はさらに2隻の砕氷LNG船をヤマルのプロジェクトに投入する予定。同プロジェクトを通じて北極海運航のノウハウを蓄積し、新たな北極海航路の開拓に取り組む方針だ。
中国政府は昨夏、「一帯一路建設海上協力構想」を発表。日本海、オホーツク海、北極海を経由して中国と欧州を結ぶ「北氷洋海上ルート」の協力構想を打ち出しており、北極海と東アジアを結ぶ航路活用が進む可能性が高まっている。