「ミスター人民元」退任へ=新総裁、19日に決定

中国人民銀行(中央銀行)の新総裁が19日に決まる。国際金融の世界で「ミスター人民元」と呼ばれ、在任15年を超えた周小川総裁(70)は退任が確実視される。懸案だった人民元の国際化が一定程度、軌道に乗ったことで、習近平指導部は中銀トップを交代させても問題が生じないと判断したもようだ。
新総裁の候補には、習国家主席の経済ブレーンを務める劉鶴・共産党中央財経指導小組弁公室主任、郭樹清・中国銀行業監督管理委員会主席、蒋超良・湖北省党委員会書記、易綱・人民銀副総裁らの名前が挙がる。2期目の習政権を金融面から支える重要な役割を担う。
国際通貨基金(IMF)は2016年10月、加盟国に配分する「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に人民元を加えた。元がドル、ユーロ、円のような国際通貨に認められたことを意味し、「周総裁の最大の功績」(金融業界関係者)とされる。
米国など国際社会が元の切り上げ圧力を強めた際には、周氏は得意の英語で各国中銀総裁らと渡り合った。05年7月に元の対ドル相場を約2%切り上げ「管理変動相場制」に移行。その後も徐々に許容変動幅を広げて為替制度の改革を進めた。
金融改革派の中心人物として、人民元以外の課題でも手腕を振るった。大手国有銀行の株式上場や金利の自由化を進め、社会主義体制下で硬直化していた銀行制度を改革。08年のリーマン・ショック時には、強力な金融緩和を通じて景気の下支えに努めた。